2025年、大阪・関西万博誘致活動のための会場計画案は、未来の社会を体現するため、「非中心」、「離散」といったキーワードを核として、多様な個や集団の間で常に変化する、現代ならではの関係性が表現されています。同時に自動運転をはじめとする自律型モビリティやAR/MR(拡張現実/複合現実)などの新しい都市的要素の運用にも適合した、次世代の都市構造を提案するモデルでもあります。
本展示では、計画案に組み込まれたさまざまな新しい試みや特徴が、未来都市のひとつのあり方として再構成されています。未来の都市では、デジタル空間で多様な利用者が、複合的かつ離散的に、相互作用を及ぼします。そこには、私たちがモノとして認識できる「物理世界」と、ウェブに代表される「情報世界」とがあり、それらの中間領域となる「コモン・グラウンド(共有基盤)」が想定されます。本展示は、コモン・グラウンドの社会実装を表現します。人間とデジタル・エージェントの認識のずれや、都市的なスケールにおける人間が認識できない世界との関わりが体験できます。